交通事故で追突に遭ったら気をつけておきたい示談の注意点

追突事故の被害者は保険会社の示談代行を利用できないことがある

追突事故というのは、信号待ちや右折左折待ちの停車中、あるいは低速で走行中に後ろから衝突される事故のことです。交通事故のなかでも割合が高く、50万件近い発生件数の35%以上を占めています。

その原因の多くは脇見運転で、特に最近ではスマートフォンの操作などの影響も考えられます。基本的にぶつかられた車両には落ち度がないため、過失割合が100:0になるケースもめずらしくありません。

そこで問題となるのが、示談交渉です。なぜなら、過失割合がゼロのときには保険会社の示談代行サービスが利用できないからです。これは、弁護士法第72条「非弁活動の禁止」によって、利害関係のない場合には代行が禁じられているからです。

一方、加害者側の保険会社には損害賠償を支払う義務があります。そのため利害関係が生じ、示談代行もつとめることができるようになるわけです。このように追突事故では、素人対専門家というアンバランスな交渉の場ができやすいのです。

保険会社は自賠責基準でなるべく低く慰謝料を算出しようとする

示談代行といっても、実際にお金を支払うのは保険会社です。そこで、保険会社は交渉でなるべく低い金額を提示してくる傾向があります。

まず損害賠償については、傷害なら120万円までは自賠責保険で支払うことができます。自賠責保険は保険会社とは関係ないので、この範囲内でおさめようとしてきます。

一方、慰謝料は治療費や入院費のような具体的な損失にではなく、事故によって生じた精神的苦痛に対して支払われるものです。とはいえ、それでは具体的な金額を決めにくいため、一定の基準が目安として用意されています。その基準には、「自賠責基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準」の3つがあります。

たとえば入通院慰謝料では、自賠責基準では1日につき4,200円とされています。これを、「実際に治療した日数の2倍」あるいは「治療にかかった期間」のいずれか少ない方をもとに算出します。

3つの基準では自賠責基準がもっとも低い金額になるので、やはり保険会社はこれを提示してくることになります。

追突事故で起こりやすいむち打ちは慰謝料が認められにくい

入通院慰謝料とならんで大切なのが、後遺障害慰謝料です。これは、怪我を治療したあとにも障害が残ったときに支払われるものです。自賠責基準では、状態によって1級から14級まで細かく分けた等級表が用意されています。

むち打ちはもっとも低い14級にあたるため、保険会社はなかなか認めようとはしません。認めたとしても、ある程度治療が済むと治療を打ち切るように提案してくることがあります。これは、治療が終わって「症状固定」となれば、その後は治療費を請求することが難しくなくなるからです。

しかし、むち打ちは治ったように思えても再発することがよくあります。治療の打ち切りについては慎重に行ってください。もし治療を一方的に打ち切られるようなことがあれば、弁護士に依頼するのが賢明です。

また、最初から示談代行を弁護士に依頼しておけば、事故後のわずらわしい手続きをすべてまかせることもできます。慰謝料ももっとも高い「弁護士基準」で請求することができるので、追突事故に遭ったらまず相談してみましょう。